モンゴル国際草原マラソン完走

モンゴル
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2024年9月8日、「第27回モンゴル国際草原マラソン大会」を無事完走しました。この大会は、1997年に日本人のある方が発案し、モンゴル陸上競技協会とモンゴル国際草原マラソン実行委員会が主催、在モンゴル日本国大使館が後援して行われています。

大会概要は右の通りです。

大会種目はハーフ(21km)、10km、5km、3kmです。モンゴルのオリンピック選手から地元の子どもたち、日本から参加するランナー、そして在モンゴルの日本人や外国人など、非常に多様です。私は、ハーフマラソンにエントリーしました。

モンゴルらしいユニークな点として、ハーフの優勝者には「馬1頭」、外国人1位には「羊1頭」が贈られます。この伝統的な賞品は、他の大会では味わえないモンゴル独特の魅力です。

大会前の準備:
レース前日、大会主催者からメールが届き、当日はフラワーホテルから8:00にシャトルバスが大会会場の中央国家競馬場まででるとの案内がありました。また右の当日のプログラムも日本語で届きました。ハーフのレーススタートは10:30で、プログラムを見るとハーフマラソンの時間が10:30-12:00になっています。プロのランナーではないので、21kmを1時間半で走るのは難しいです。この時間についてはあまり気にしないことにします。

Facebookに事前に掲載されていたレースコース図です。21kmは赤のラインです。緑の10kmとあまり変わらないように見えますが、きっとアバウトな図なのでしょう。と、その時は気に留めていませんでした。が、レース中、コースを一周して気づいたのですが、21kmの走者はこの赤いコースを2周するのでした。そのような記載はなかったのですが、10kmと同じようなコースだったのはそのためです。
給水は約5km毎にありました。この情報は前日にJICA同僚から入手しました。もし給水がないのなら水のボトルを持って走ろうと思っていたので、給水があってよかったです。給食はほぼなかった(一応バナナが少しあったそうです)のですが、ハーフなので補給は不要でした。OS1のパウダーと芍薬甘草湯のパウダーだけをウェストポーチに入れて走りました。

レース当日の流れ:
レース当日の朝、6:30頃に起床し、シャワーを浴びてから、前日に購入したおにぎりとバナナを食べました。8:00前にフラワーホテルに着くと、JICA海外協力の同僚が大会運営のボランティアとしてテキパキと働いていました。日本からかなりの人数の参加者が来ているようでした。バスに乗り込むと、私が授業をしていた新モンゴル学園で日本語を教えているという若い女性と隣り合わせになり、仕事について話しながら大会会場へ向かいました。
ウランバートルから1時間半ほどで会場の国家競馬場に着きました。晴天です。ウランバートルの気温は現在17℃、最高気温26℃、最低気温9℃となっていましたが、競馬場はウランバートルから離れていて、風が強く、実際にはもっと寒く感じました。

スタート前の混乱:
大会開会式を待っている間に、大会運営の方らしい女性からマイクを通して日本語で「チップをつけますので、21kmの方はステージに集まってください」という内容のアナウンスがありました。日本語はたどたどしかったですが、確かにチップをつけますと言っています。事前に、タイム計測にチップは使わないと聞いていたのですが、変更があったのかなぁと思いながらステージらしきところに行ってみましたが、チップをつけている様子はありません。21Kmのゼッケンをつけたモンゴル人数人がスマホを覗きながら頭を寄せ合って、何かしています。集まってきた日本人の方と、どこでチップのつけるのですかねぇときょろきょろしていましたが、結局わかりませんでした。

そのうち10:00頃になり、大会開会式が始まりました。日本国大使の開会の挨拶やゲストランナーの猫ひろしさんのスピーチがありました。日本語のスピーチはモンゴル語で同時通訳されました。スタートの前にはモンゴルの伝統的な馬頭琴の演奏も披露されました。

スタート間近になり、スタートラインの横でリストバンドのようなものをつける人のグループがありました。これがチップなのでしょうか?日本人の女性2人とチップつけないといけないのかも、と言って、リストバンドを持っているグループのところに行きました。そうするとスマホを差し出され、それぞれの名前、年齢、住所、電話番号、などを入れるように言われいました。スタートラインには走者がもうスタンバイしています。えー、チップが間に合わない、、、と言っていると、そこにJICAの同僚が来て、「このリストバンドはつけなくてもいいです。タイム計測はありません。時間は各自で計測してください。このリストバンドは某テレビ局が実況中継するために30名だけリストバンドを用意したものです」とのこと。

レーススタート!
心の準備ができていないまま、いつの間にかレースがスタートしていました。21km、10km、5kmの人が一緒にスタートしたようです。チップの件で一緒にいた日本人の女性の方と同じぐらいのスピードで走り始めました。彼女が、「制限時間ってありましたっけ?」と聞いてきたので、「多分ないんじゃないですか。プログラムに書いていた1時間半では走れないですものね」と答えました。彼女は釜山在住の方で、昨日釜山からウランバートルに来られたそうです。韓国内のマラソンやアジアのレースを走っているそうです。

スタート直後はたくさんの人が周りにいましたが、5kmや10kmの走者はどんどん前に進み、次第に周りに人が少なくなってきました。最初の直線はかなり強い向かい風で足が進みませんでした。7分/kmぐらいで走ろうと思っていたのですが、周りに人がいなくなってくると心配になってきたので、少しがんばってスピードを上げました。草原のコースは、ところどころ旗が立っているものの、等間隔ではなく、道が不明瞭な部分もありました。しばらく旗がないと、コースアウトしていないか不安になりました。基本的には車のわだちを目安に走りましたが、時々、並走しているわだちにコースが移動していることがありました。草原をとりあえずまっすぐ走って、21kmは曲がるというサインがあれば、それに従って曲がって、また真っ直ぐ走りました。最初に曲がった後、強い横風になってとても走りにくかったです。時々馬の群れがコースを横ぎりました。その場合は馬が渡り切るまで止まって待っていました。

草原には馬の糞がたくさん落ちていますが、カラカラに乾燥しているので踏んでもそれほど問題はありませんでした。草原に生息するタルバガン(モンゴルマーモット)の巣の穴が草に隠れてあるので、足を取られないように気をつけて走りました。広い草原に誰も見えなくなった時は少し不安になりましたが、少し走っていると前に走っている人が遠くに小さく見えてほっとしました。ところどころ、コースアウトすると危険な箇所に赤旗を持ったボランティア君がいました。

コースの謎とゴールの達成感
コースを1周したところで、Apple Watchを確認すると、あれ?まだ1時間少々しか経過しておらず、9.8kmしか走っていない。コースを2周することにようやく気づきました(遅すぎましたが)。再び同じコースを走り、ゴールに近づいてきました。

最後は少しスピードを上げて走りました。ゴールのところにいたピカチューの仮装をした日本人の方と写真を撮りました。一緒に写真を撮った日本人の女性の方は釜山に住んでいて、このマラソンのために昨日釜山から来たそうです。もう一人の方は名古屋から来たそうです。昨年もエントリーしていたそうですが、家族の方の都合で昨年はDNSとなり、今年再挑戦したとのことです。

男子ハーフの1〜3位はモンゴルのオリンピック選手だそうです。優勝の方には馬が賞品に贈られました。女性ハーフの1〜3位も、いかにも早そうな体型の方々でした。やはりオリンピック選手だそうです。女子1位の方にも馬が贈られました。女子の外人走者の1位には羊が贈られました。以前、在モンゴル大使館でお会いした、大使館勤務の方が今年も外国人1位でした。私はハーフマラソンで8位に入賞しました! 素敵な入賞メダルをもらって嬉しく思いました。
完走賞品はTシャツとiPhoneの充電ケーブルでした。実用的でいいですね。

レースの結果です。大会では時間計測がないので、自分のApple Watchのタイムです。時間2:09分。6:33/kmの記録でした。

感想:
初めて体験したモンゴル国際草原マラソンの感想です。

  1. 「世界一オーガナイズされていない」国際レースかもしれません。それがまたモンゴルらしいです。
  2. コースは草原です。馬の糞が草原に落ちています。
  3. 草原にはタルバガン(モンゴルマーモット)の巣穴があるので足元に気をつけて走らないといけません。
  4. 草原には観客はいません。スタートとゴールには人がいますが、コース上は無観客レースです。
  5. ウランバートルの標高は1,350 m。レース会場はそこからさらに山の方にありますので、標高が高いです。走っていて息苦しさを感じました。また風が強いので走りにくかったです。
  6. 給水は5kmぐらいおきにありました。ただ21km種目のコースの2周目になると、給水が無くなっていました。給食はバナナが少しあったそうですが見ていません。

何ともおおらかな雰囲気の大会でした。来年も走るかは要検討です。😎

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